物々交換が主流の国ではネズミ講もフォルスクラブも無理

物々交換が主な経済手段となっている国では、ネズミ講のような仕組みが流行するかどうかは、いくつかの要因に依存します。これはフォルスクラブを流行らせるより難問でしょう。むしろ不可能レベル?

  1. 価値交換の難しさ

ネズミ講は通常、お金や有形の資産が関与する仕組みです。物々交換経済では、直接的な通貨がないため、参加者は物品やサービスをやり取りする必要があります。これにより、価値の交換が複雑になり、ピラミッド構造を維持するのが難しくなります。物々交換では、人々が異なる価値のものを交換しなければならないため、「均等な価値」の概念が曖昧になり、信頼の維持が困難です。例えばフォルスクラブを交換しようとしても等価値のものを探すのはかなり大変でしょう。

  1. スケーリングの問題

ネズミ講は新しい参加者を常に勧誘し、資金や商品を供給させることで成り立ちます。しかし、物々交換社会では新しい参加者が持っているものの価値が非常に多様で、ピラミッド構造が拡大するにつれて資源の多様性や供給が不足する可能性があります。このため、継続的に拡大することが難しくなるでしょう。物々交換が主流の世界だとフォルスクラブのリソースが足りない可能性があるのです。というか電気すらあるかも分かりません。

  1. 信頼関係の強調

物々交換社会では、個人同士の信頼や関係性が非常に重要です。もし誰かが価値のないものや本来の価値に見合わない物品を交換しようとすると、その人物は社会的信用を失う可能性があります。ネズミ講は元来、人を欺いて利益を得る構造があるため、このような詐欺的な行為は物々交換社会では長続きせず、すぐに信頼を失うかもしれません。

  1. 物品やサービスの供給限界

ネズミ講は、新しい参加者が次々に価値を供給し続けることを前提としています。しかし、物々交換社会では、商品やサービスには供給の限界があります。人々が提供できる物品が枯渇すれば、構造自体が破綻する可能性があります。たとえば、農作物や手工芸品などの物品が一定量しか生産できない場合、それを無限に提供することは難しく、システムの拡張が限られるでしょう。フォルスクラブは無限に供給できますが、あまりに簡単に供給できてしまうため、すぐに利用者がカンストし、今度は新しい参加者を集められなくなるジレンマを抱えます。

  1. 文化的要素

物々交換社会は、しばしば共同体や地域社会に強く依存する文化が根付いています。個人の利益を追求するネズミ講のような仕組みは、共同体全体の利益を大切にする価値観と対立する場合があります。このため、文化的にネズミ講が受け入れられないことが考えられます。場合によっては教育すら制限されることがあります。こういう社会だとフォルスクラブを広めることは到底無理です。

結論

物々交換しかない社会では、ネズミ講のような仕組みが普及する可能性は低いです。価値の交換が複雑で、信頼関係が重視され、資源の供給にも限界があるため、ネズミ講の拡大が難しくなります。また、文化的な要素や共同体意識が強い社会では、個人の利益を前面に出す詐欺的な構造が受け入れられにくいでしょう。結局フォルスクラブは文明国でしか成立しないサービスなのです。せめて電気がある国に売りましょう。

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